営業をしているけれど、初対面の人に会うことがシンドイ・・・。
話しかけるだけでエネルギーを使ってしまい、1件の訪問営業するだけでもどっと疲れる・・・。
そもそも、必要とされていない人に売るのは、相手に悪い気がしてなんだか苦痛に感じる。
これ、あなたが営業に向いていないわけではありません。
それは「欠点ではなく、あなたが持つ強い倫理観」によるものなのです。
そしてそれは「あなたの優しさであり、誠実さの証」でもあるのです。
この記事では、人見知りが営業できない本当の理由について、人見知りによる営業への取り組み方を紹介します。
なぜ「営業=迷惑」だと感じてしまうのか
人見知りの人、人見知りでは無い人でも営業を苦手としている人には共通の思考パターンがあります。
営業=説得、押し売り、相手を操作しようとする行為
こう頭のどこかで考えてしまっています。
でも、営業って実際は違います。
営業している人が最も嫌われるのは「売り方」であって「行為そのもの」ではないのです。
売るのではなく「判断材料を渡す」
人見知りの人にとっての営業の定義を変えてしまいましょう。
- 相手が判断するための材料を必要以上に押し付けずに渡す
- その商品、サービスを利用するのか、購入するのかを決めるのは相手である
- 絶対に買わせようとしない
- 合わなければ断ってもらっても問題無し
これらを常に意識することで心理的なハードルが下がります。
人見知りの営業が「やってはいけないこと」
人見知りの営業が安心して行動できるようになるために「やってはいけないこと」を明確にします。
- 相手をその場で説得(購入させよう)しようとする
- クロージングを目的として会話する
- 沈黙を恐れて話を続ける
特に沈黙を恐れて「何か話をしないと・・・!」という強迫観念に駆られてしまい、特に意味の無い話をしてしまう人が多く見受けられます。
「沈黙=悪」ではありません。
人見知りだからこそ「沈黙」を武器にすることがとても重要になってきます。
その商品、サービスを紹介された人は
「これを使って本当に良い結果が得られるのか」
「今の業務や生活にどう使えばいいのか」
といった事を考えている場合があるためです。
このような思考の邪魔をすれば、一気にあなたへの信用も信頼も下げる要因となります。
人見知りでもできる営業の3ステップ
やっとアポイントが取れ、商談の場に辿り着いたけど、ここで失敗したらまた最初から・・・。
そう考えてしまい、緊張で胃が痛くなってしまっている人見知りの営業マンに、3つのステップを紹介します。
ステップ1 「売らない前提」で話す
「今日は売り込みではありません」
「合わないなと感じたら全然スルーしてください」
これだけでも相手も自分も楽に、空気が少し軽くなります。
ステップ2 質問は1つだけでいい
「今、〇〇〇で困っている事はありませんか?」
「〇〇〇について、どう思いますか?」
完璧なヒアリングは必要ありません。
自身の扱っている商品、サービスが関わっている質問を1つ決めて挑むだけで大丈夫です。
曖昧だったり、興味が無さそうな返事の時は紹介した商品、サービスに関心が無い可能性が高いので、無理に商談を進めようとしても無意味に終わります。
ステップ3 判断を相手に返す
「必要かも、と感じましたらいつでも声をかけてください!」
「今日は情報の1つとして聞いてもらえれば十分です。」
話の最後は必ず使ってください。
相手にとってもあなたにとっても「逃げ道」を用意するのが誠実な営業でもあります。
それでも怖いと感じる人への「最初の小さなアクション」
どうしても営業が怖い、話すことが無いと感じる場合、最初の1歩を限界まで小さくしてみましょう。
「商品説明をしない」
「名刺を渡すだけ」
「URLを送るだけ」
「ブログや資料を置いて帰る」
話すことだけが営業ではありません。
あなたの扱っている商品、サービスは「どんな問題を解決できるのか」さえわかるようにできていれば、無理に話す必要は無いのです。
相手には業務や生活の上で必ず問題となっている部分があります。
あなたの紹介した商品、サービスがその問題を解決できるのであれば、相手の方からアクションを起こします。
そのアクションに対して、誠実に答えることが人見知りでもできる営業なのです。
人見知りでも営業に向いている人の特徴
「人見知り=営業には不向き」では、決してありません。
むしろ、成果が安定しやすいのは人見知りタイプだったりします。
人見知りでも営業に向いている人の特徴を7つ紹介します。
1.売ることに罪悪感がある
一見、マイナスのように感じますが、実は最大の強みでもあります。
「押し売りをしない」
「相手の立場を想像できる」
「不要だと思えば無理に勧めない」
短期的な売上げは弱いかもしれませんが、お客様からの信頼は最も上がりやすく、結果的に紹介やリピートにつながりやすくなります。
2.話すよりも聞く方が楽
人見知りの多くの人は、ここに当てはまります。
「相手の話を遮らない」
「相づちが自然」
「表情や間の変化に気付ける」
営業はトーク力だと思われがちですが、相手の話を聴ける(傾聴力)人はお客様への提案の精度が高い傾向にあります。
3.事前準備しないと不安
気にしすぎだとバカにしてくる人もいるでしょうが、これは営業向きな性格と言えます。
「こんなお客様かも、と想定した資料作成」
「想定される質問を全て書き出し、回答を準備」
「話す流れの組み立てる(台本作成)」
準備とは「相手への敬意」であり、しっかりと準備できる人は失注し難く、お客様からの信用を得やすいのです。
4.初対面の人との距離を詰めるのが苦手
今の時代、いきなり距離感を詰めてくる人は不審がられることが多く、苦手としている人も多くいます。
「いきなり仲良くしようとしない」
「相手のスペースに踏み込みすぎない」
「無理な雑談をしない」
営業では「丁度いい距離感」を保てる人こそが最も信頼されます。
5.沈黙を失敗だと思わない
人見知りは自分から話題をどんどん出していくことが得意では無い人が多くいます。
でも、お客差からすれば実は「話しやすい人」という評価だったりすることもあります。
「相手に考える時間を作る」
「話を被せない」
「否定されることも無いから、相手が本音を出しやすい」
相手の沈黙の後に出る話には、本当に欲しい情報が混じっていることがあるのです。
6.自分の言葉を盛らない
人見知りは立派なトークが出来ないことが多く、たどたどしい言葉選びが目立つ印象かもしれません。
でも、その分正直(誠実)な人が多くいます。
「できない事を言わない」
「リスクもしっかり説明する」
「過剰な期待を持たせない」
クレームも少なく「この人からなら買ってもいいかな」と思ってもらいやすかったりします。
また、相手からの信頼を得やすいのも特徴です。
7.断られても相手を嫌いにならない
人見知りの人は人間関係を壊したくないと考えます。
「断れていても態度が変わらない」
「しつこく相手を追わない」
「関係をを長期で見ている」
こういった態度は結果として、時間差で相手の信頼や信用を得ることにつながります。
まとめ
この記事では、人見知りが営業できない本当の理由について、人見知りによる営業への取り組み方を紹介しました。
営業を苦手とするのは、決して能力不足ではありません。
誠実であろうとする気持ちが人一倍強いからなのです。
売ろうとしなくてもいいのです。
相手に判断材料を渡すだけ。
それができる人はもう十分、営業をしていると言っていいのではないでしょうか。


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