「提案しても批判ばかりされるから、何も言いたく無くなった。」
ビジネスの場において、これほど勿体無いと思うことは無いのではないでしょうか。
批判はむしろ、より良い内容に昇華させるために必要不可欠なものです。
ただし、「批判だけ」の場合はただ否定しただけで進展が無く、やる気を削ぐだけでなく場の空気が悪くなることもあります。
この記事では、そんな提案のない批判をする人の心理や対処方法を紹介します。
批判する人の心理
批判をする人には共通する心理、思考が働いています。
それは「承認欲求」です。
承認欲求に取りつかれた人は、自身の満足感を得るために他を否定します。
そうすれば満足感を得ることができ、更に自分が優位に立つことができる。
ただし、こういった考えは本人に自覚が無い場合も多く、指摘すると逆上し関係が更に悪化する可能性もあるため注意が必要です。
この項では、批判をする人が持つ共通する心理を紹介します。
承認欲求
他人の批判ばかりする人は「強い承認欲求」を持つと言われています。
自身が得た地位や立場、知識をより優位に感じたい。
他人を批判することで優位性を
「より高い価値と感じたい」
「上司に認めてもらいたい」
と、考えることがあります。
そのため、他を批判することで自分自身の価値を認めてもらおうとします。
自分の持つ正義
批判する人には
「自分の考えが正しい」
そう感じている人は少なくありません。
そのため、その考えから外れた人の意見や考え方をすぐに批判してしまいます。
他人をコントロールしたい
批判する人には
「他人を自分の考えた通りにコントロールしたい」
そんな考えを持つ人もいます。
批判をすれば意思の弱い人や立場が下の人は引き下がってしまう場合もあるでしょう。
そうなってしまえば、自分の意見や考えを押し通すことがしやすくなります。
批判された人の心理
批判そのものは「悪」ではありません。
批判とは、考えの甘さや思考の穴を指摘され、耳が痛い内容が多くあるでしょう。
ただ、悪意のある批判や代案の無い批判は、批判された側のやる気やメンタルを削いでいくだけになります。
この項では、ただ批判されただけの人の心理を紹介しますので、心当たりのある人は相手がどんな状態にあるのか参考にしてみてください。
心理的な負い目
自分の考えや方法を批判された場合、メンタルが弱い人や立場が下の人はずっと引きずってしまいます。
特に、強く批判された場合
「自分の何がダメだったのか・・・」
「また批判されたらどうしよう・・・」
この考えに思考を占領されてしまい、批判されないようにと、受動的で消極的な行動しかとれなくなってしまいます。
これは、批判された人にとっては「マイナス」にしかならず、どんどんチャンスが失われている状態となり、非常に勿体ないことです。
批判してきた相手への反感
批判だけをしてくる人には、どうしても反感を持ってしまうものです。
「なぜ、そんな風に言うのか」
「あの場で言うべきことなのか」
「自分だって何も考えてないじゃないか」
批判だけの場合、相手の考えや意見をただ否定しているだけで、何の解決になりません。
また、場の空気が悪くなる他、人間関係も悪くなり孤立してしまうことにもつながってしまいます。
批判してきた相手への不信感
反感にも似ていますが、批判だけをしてきた人への不信感は積もり続けます。
「あの人には何を言っても否定される」
「どうせ否定されるくらいなら、何もしない(言わない)方がいい」
こうなってしまうと積極性は失われ、業務だけでなく人間関係も衰退していく一方となる可能性があります。
批判ばかりを繰り返してしまうとその後…
人を批判することを繰り返し行っているとたくさんの面で損をすることが知られています。
この項では、批判を繰り返し行うことで起こるデメリットを紹介します。
職場で孤立
仕事関係で人の粗探し、批判を繰り返し行なっていると人を遠ざける要因となります。
「批判ばかりする人の対処法」などで検索すると、必ずと言っていいほど
「批判的な人からは距離を置く」
というワードを見ます。
つまり、職場で批判的な人は周囲から距離を置かれ、孤立してしまうということになります。
人間関係が壊れる
批判ばかりしていると周囲から距離をおかれてしまうばかりではありません。
中には言い返してくる人も出てきます。
そこからは言い合いになり、時には友人関係や職場の人間関係が壊れてしまい、修復が困難な状態に発展する可能性もあります。
そうなってしまうと、友人が減ってしまう、職場に居づらくなってしまい部署異動や退職する事にもつながってしまいます。
もちろん、職場では上司の心象も良くは映らないため、自身のキャリアにも良くない傷がついてしまうかもしれません。
自己成長の機会を失う
提案とは自己成長を促す、とても大きな勇気が必要で大切な行動です。
そんな提案を批判だけして、仕事をした気になっている人はそれ以上の成長は無いでしょう。
また、批判だけする人にはそういった大きな挑戦となる業務案件が振られることも無くなり、今の位置から動けないまま、どんどん周囲から差をつけられていくことになります。
批判ばかりの人の対処方法
批判ばかりされて嫌になる、どうしようもない、と嘆いていても何も状況は変わりません。
対処方法として、勇気を持って批判ばかりする人との付き合い方を変えることが状況を変える唯一の方法です。
この項では、批判ばかりする人の対処方法を紹介します。
他人を変えようとしない
他人を変えようとすると無用な軋轢を生むことに繋がります。
そして「他人を変える」ということは
「自分の都合の良いように他人を変える」
ということです。
お互いの「正義」の押し付け合いは戦争と同じで、何一つとして良い結果には結びつきません。
相手を変えるくらいなら最初から相手にしない、お礼を言ってその場を去るなど「自身が変わること」に注力する方が最も建設的で自己成長につながる道です。
「評価」ではなく「具体的な意見」に耳を傾ける
批判する人は提案をする人、意見する人を羨ましいと感じています。
自分には無い考え方、表現力、そして実力を目の当たりにしてしまうことで自分を持ち上げることよりも、相手を引きずり下ろすことに注力してしまっています。
ただ、その批判の中にも「具体的な(反対)意見」ともとれる内容が隠れていることもあります。
全てを聞き流すのではなく
「よくよく考えると、その考え方もあるかもしれない・・・」
と感じる意見は頭の片隅にでも留めておくといいかもしれません。
反応せずに距離を置く
批判ばかりする人の中には、こちらの反応を見て楽しむタイプも存在します。
反応し言い返したり、アタフタしたり、落ち込んだりといった反応は相手を喜ばせることにつながります。
そういった人とは反応せずに距離を置くことで、相手も離れていきます。
ただし「反応しない」とは「無視する」ということではなく、「相手の言葉に感情を動かさない」ことです。
お礼の一つでも言ってその場を立ち去れば、相手は自分が想像したような反応をしてくれないことで、自然と離れていきます。
批判ではなく提案(代案)が大事
批判は相手を不快にさせてしまいますが、提案は相手を納得させることができます。
もちろん、提案や意見された内容が全て正しいわけではありません。
否定することも、意見することもあります。
ただ、否定や意見するだけに終わってしまえばそれはただの批判です。
否定や意見をするのであれば「代案」「提案」を合わせて行うことでより良い企画になることもあります。
また、その人の信頼や評価にもつながる可能性も高いため、提案はどんどん行いましょう。
まとめ
この記事では、提案のない批判をする人の心理や対処方法を紹介しました。
批判ばかりする人は自分自身に自信が無い人が多く、自分を上げるよりも他人を下す言動を繰り返します。
また、批判された相手の反応を見て楽しむタイプといった一見、異常とも思える考えを持つ人も存在します。
この記事を見て、自分がどちらに当てはまるのか考えてみてください。
もしも批判する側だったとしても、そこに気づけた時点ですでに一歩、できるビジネスマンです。
次回から批判ではなく、提案も一緒に行うよう少しづつ自身が変わっていってみてはいかがでしょうか。
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