「挑戦」と「博打」
あなたは説明することができますか?
脱サラし起業、飲食店を始める人。
会社に勤めながら夜と休日の時間を使い副業を始め、軌道に乗ってから起業する人。
この両者の行動にはどんな違いがあるでしょうか。
この違いがわかる人は「挑戦」と「博打」の違いを理解できる人で間違いないでしょう。
この記事では、「挑戦」と「博打」はどんな違いがあるのか、挑戦に変えるための実践法などを紹介します。
両者の行動の違いについて違いをはっきりと説明できなかった人は、ぜひ参考にしてみてください。
挑戦(チャレンジ)とは
挑戦(チャレンジ)とは、準備、計画、リスクの管理などの要素を計算したうえで行動し、再現性が高い行動を指します。
また、失敗から多くの学びを得られ次の打ち手に活かすことができ、自己の成長や経験の蓄積ができること。
これが挑戦(チャレンジ)の定義です。
例えば、起業や副業は挑戦の最たる例になります。
どういった仕事で起業、副業をするのか。
何が必要で、どんなリスクが考えられるか。
資本金はいくらで、定期的な出費はいくらなのか。
売上げの目処はあるのか。
もし、赤字が続いた場合など撤退基準はどこに設定するのか。
準備、計画、リスク管理や撤退基準などの決めるべき要素はたくさんありますが、これらをしっかりと説明することができるのであれば後はひたすらに、がむしゃらに走り続けること。
これが「挑戦」です。
博打(ギャンブル)とは
博打(ギャンブル)とは、結果が偶然など「運」に大きく左右され、再現性が低い行動を指します。
また、失敗から学ぶことが少ないことが特徴で、次の打ち手につなげることができない。
これが博打(ギャンブル)の定義です。
例えば、宝くじなどは典型的な博打(ギャンブル)といえます。
年末ジャンボやサマージャンボ、ロト6にスクラッチ、どれも当たりと言われる高額当選は努力とは関係の無い、完全な運まかせです。
はずれてしまっても「なぜはずれたのか」「なぜ後一桁が合わないのか」。
このような思考をしたところで、自身の能力とは無関係な部分による影響が大きいため無意味だといえます。
そのため、失敗(はずれ)から学べるものはほとんど無く、強いてあげるならば宝くじの購入金額で美味しい食事でもしておけばよかった、という後悔くらいでしょう。
また、仮に高額当選したところで、そこに再現性は一切無いため次回の宝くじではまったく当たらない、なんていうのは往々にしてあります。
これが「博打」です。
挑戦に変えるための工夫と実践法
考え付いたことをただ実行するだけ、それでは博打と同じで仮に成功したとしても、たまたま上手く世間の流行、波に乗れただけでそこには計画もリスク管理も無い、ただただ「運」によって成功したにすぎません。
もちろん「運」の要素も重要です。
しかし、再現性の無い運に頼り切った行動はその後の失敗や改善(PDCA)が上手く進まず、衰退していく可能性が高いでしょう。
そんな運に頼り切った行動(博打)を「挑戦」に変えるための工夫、実践法を紹介します。
しっかりと計画された行動は失敗を繰り返すことがあっても必ず得られるものがあるほか、成功を収めても運ではなくこれまで培ってきた計画や改善、そして行動による裏付けが自信へと変わり更に大きな行動がとれるようになります。
ゴールを明確にする
人はどんな事をするにしても、必ず目的が存在するからこそ行動を起こします。
この「ゴール」をしっかりと明確にできていないと迷子になり、途中で挫折してしまう原因になります。
よく例えられるのはマラソンです。
10km先にゴールがあるからこそそこを目指して走ることができ、ゴールが明確だからこそいかに早くゴールできるか競う副次的なゴールも生まれます。
もし、ゴールも無くただただ走り続けるだけのマラソンに何の意味があるでしょうか。
恐らくほとんどの人が途中で辞めてしまうか、そもそもそんな競技に参加する人自体いないかもしれません。
挑戦におけるゴールも同じです。
ゴールを明確に設定したからこそ、見えてくる道や失敗にも意味があり、どれほど遠回りしてしまうことがあっても全ての行動が成功へとつながる一歩となります。
ゴールを決めず、ただただ行動するだけでは自分の現在地もわからず、やみくもに走り続けるだけのマラソン状態となります。
大きなゴールを設定する必要はありません。
頑張れば手が届くか届かないか、そんなゴールを設定してみてはどうでしょうか。
失敗や成功を繰り返すことで、ゴールに近づいていることがわかってきます。
ゴールに届きそうになる頃にはスタートした頃よりも自信がつき、更に遠くのゴールを自然と見つけられるようになってきます。
もちろん、かなり遠くの(難しい)ゴール設定をすることでもいいですが、まずは自信をつけるためにも少し近い(やや難しい)ゴールを設定することをおすすめします。
情報の収集と分析
目的(ゴール)が明確になれば、次なる行動は情報収集と分析です。
情報収集には「成功している事例や失敗談」「数字やデータによってリスクがどれほどあるのか」などのほか、ビジネスにおいては「市場規模」「需要」といった情報は必ず必要になります。
特にビジネスでは「市場規模」や「需要」を調査せずにいきなり市場に飛び込んでも、それはただの博打となります。
ゼロから何かを作る場合を除き、人が考えた行動(ビジネス)は誰かがどこかで既に始めている可能性が高く、ありがたいことに先人たちの残してくれた情報はたくさん転がっています。
それらを分析することでこれからの行動を博打ではなく、挑戦へと昇華しゴールへ進むための大切な一歩となります。
小さく試す(スモールスタート)
ゴールを設定し、必要となる情報収集や分析ができ、いざスタートするにもいきなり走り出すことはリスクが大きすぎる場合が往々にしてあります。
そこでまずは「小さく試す(スモールスタート)」をおすすめします。
例えば、事業を始める場合、いきなり会社員を辞めて起業するのは市場調査をして、どれだけ需要があっても危険すぎることは理解できるでしょう。
辞めて始めるのではなく、まずは「副業」として小さくスタートすることで、様々なリスクに備えることができます。
もしかしたら、需要があるというデータがあるにも関わらず、市場に出てみるとそれほど売上げにつながらないこともあるかもしれません。
ビジネスの場において「需要があるから売れる」は絶対ではないのが恐ろしいところです。
そのため、小さく試すことで市場の動きに機敏に反応できるほか、失敗しても致命傷になることも少なくなり、PDCAを素早く回すことで、博打ではなく挑戦に変えることができます。
Plan:計画
Do:実行
Check:測定・評価
Action:対策・改善
それぞれの頭文字をとってPDCAサイクルと呼び、計画(仮説)から対策(検証)を繰り返すことで品質を高めることを目指し、目的達成力を強化することができます。
リスク管理(最悪を想定)
リスク管理では「最悪を想定」することで、発生するリスクに対して備えたり、確率を少しでも抑えることを目的としています。
例えば、起業をする場合のリスク管理において、1年~3年は無収入でも生活できる資金を確保しておくことが重要です。
これは、起業したばかりの時は収入が安定せず、無収入になる時期が続いても不思議ではないからです。
また、近年では流行り廃りのスピードが早く、市場規模が突然縮小し無くなる可能性もあります。
そのため、リスク管理をし致命傷を避けることで、博打ではなく挑戦として取り組むことができます。
計画・スケジュールを立てる
ゴールを決めたら更にそれを細分化し、小さなゴールを作ります。
その小さなゴールに対して、いつ頃に何を行うのか行動達成のための行動計画を作成します。
例えば、エンジニアとして独立し生計を立てるというゴールを立てたとします。
- 1ヶ月目:行動に必要な知識を学ぶ(プログラミングスクールなど)
- 2ヶ月目:小さな行動から始める(副業など)
- 3ヶ月目:成果を検証する
人によっては、決めた小さなゴールを更に細分化し小さなゴールを作ることで難しい問題にも取り組みやすくなるため、おすすめです。
このように達成が難しいとすら思えるゴールでも、細分化しゴールを作ることで何となくで始める博打のようなものではなく、しっかりと計画しいつまでに何を達成するのかを決めることで挑戦へと変えることができます。
フィードバックを取り入れる
これまで行ってきた行動や考え方を少しずつ試すことで、小さいなりにも成果が出てくることもあります。
その際に、第三者となる人物に評価をしてもらうことをおすすめします。
第三者とは、メンターや仲間、顧客などになり、今の流れで本当に良いのかといった率直な意見を聞き素直に取り入れることが重要です。
指導者や助言者を意味します。
個人の成長や精神的なサポートする人を指すほか、自身が目標に置く人物を指すこともあります。
実在する人物以外にも漫画やアニメのキャラクターなど、考え方やそのキャラクターが持つポリシーに共感し、その部分をメンターとして置くこともあります。
第三者からのフィードバックには多くの「改善点」を見つけることができます。
「修正と改善」これらを繰り返し行うことでより良い挑戦へと変えることが可能です。
長期的な視点
行動を挑戦に変える際に大切な視点、それが「長期的な視点」になります。
たとえ短期間であっても修正と改善を繰り返してきたことで、経験とスキルは確実に蓄積されています。
そのため「失敗しても次の行動に活かすことができる」と考えられれば、何度でも挑戦を続けられるでしょう。
結果は短期間で現れることは少なく、何度も「修正と改善」を繰り返し思考や行動を磨くことでより良い結果がついてきます。
その間のプロセスこそが博打ではなく、挑戦である何よりの証拠ではないでしょうか。
まとめ
この記事では、「挑戦」と「博打」の大きな違いのほか、挑戦に変えるための工夫と実践法を紹介しました。
行動することはとても素晴らしいことではありますが、計画も立てず何も考えない状態で走り出してしまってはそれはただの「博打」となり、得られるものも限られてしまいます。
もしかしたら失うものの方が多いかもしれません。
すぐに動き出したいこともわかりますが、まずはしっかりとゴールを見据え、情報収集と分析を行った上で小さくスタートさせる。
そして、フィードバックを基に修正と改善を繰り返すことで、あなたの行動は「挑戦」という形に昇華され、たとえ失敗したとしても得られるものは多く、次の挑戦に活かすことができるでしょう。
挑戦の最中にバカにする人、嘲笑する人、否定する人、様々なノイズが聞こえてくることもあるでしょうが、それらに構う必要はありません。
挑戦するあなたは誰よりも尊い存在であり、とてもかっこいいのです。
諦めず自信をもって全力で走り切れることを陰ながら応援しています。
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