学生の頃は気の合う友人とだけ付き合うことがほとんどだったという人は多いものです。
社会人になると様々な人と関わることで人間関係に幅が広がり、友達や職場、趣味の仲間といった「人付き合い」が増えていきます。
ただ、その人付き合いにおいて気を遣いすぎてしまい「疲れる」と感じる人がいることもあります。
この記事では、「一人の時間の大切さ」と「上手な一人時間の取り入れ方」を紹介します。
なぜ人付き合いに疲れるのか
人付き合いが疲れる、そう感じる人には無意識に「良い人」でいようとする思考の癖が存在します。
この項では、そんな「良い人」でいようとする人がなぜ、人付き合いに疲れてしまうのかを紹介します。
承認欲求
他人に認められたいと考える「承認欲求」や日本的な文化、教育が影響していると考えられます。
人は本能的に「人に受け入れられたい」という欲求を持っていることが知られており、「良い人」と思われることで仲間外れにならないという安心感を得られることにつながります。
人は、大昔から集団で生活することで危険から身を守ってきました。
つまり「孤立=危険」という本能レベルの考えを人は持っているため、「良い人でいる」ことは一種の防衛反応とも言えます。
また、日本社会では「輪を乱さない」や「人に迷惑をかけない」ことが美徳とされる文化があり、幼少期には「良い子」でいることを強要されることが多く、それが大人になっても習慣化しているとも考えられます。
つながり
「SNSやLINEでのつながり」は現代の若い人を中心とした人付き合いに疲れる理由において、最も多いのではないでしょうか。
まず「即レスをしないといけない」というプレッシャーがあり、「既読スルーすると相手が怒るかも」「すぐに返信しないと」などと考えてしまいます。
また、グループLINEなどでは自分のペースでではなく相手のペースに合わせてしまうため、終わりが見えず心が休まりません。
SNSでは「いいね」をもらいたい、自分を良く見せたいという思いで投稿内容を常に考え、投稿した後も「いいね」が付くのか、どんなコメントが付くのかを考えてしまい、気が休まらない状態が続くことも人付き合いに疲れる要因と考えられます。
思い込み
「孤独=悪、寂しい人」という思い込みが人付き合いを疲れさせる要因の一つとも考えられます。
これは先に出た「集団で生活することで危険から身を守っていた」という人の本能的な感覚が残っているためだと考えられています。
また、日本では特に「輪を乱さない文化」が強く、一人でいることは「周囲と馴染めていない」というレッテルを張られやすいことも要因の一つではないでしょうか。
ほかにも、メディアなどで「一人=孤独で寂しい人生」というイメージを小さい頃から植え付けられていることで「孤独=悪、寂しい人」と考えてしまうのかもしれません。
一人の時間が与えるメリット
人付き合いに疲れた。
そう感じた人は一度「一人の時間」を作ることをおすすめします。
一人の時間には、仕事や人間関係で疲れた気持ちを整理する「心のリセット」をすることができます。
誰にも気を遣わなくてもいい、服装や話題を選ぶ必要もなく、何も頑張らなくてもいい時間は心の健康にとって大切な時間です。
また、人に合わせず自分と向き合うことで「好き嫌い」「心地良い・不快」などの感情や価値観といった、人付き合いの基準を明確にすることができます。
そしてなにより、一人の時間を取ることで「心の余裕」を持つことができます。
これは、自分の感情や価値観にしっかりと向き合うことで自身の心が満たされ、相手の話を素直に聞くことができ笑顔で接することができます。
人にとって「良い人」でいようと無理することが無く、自然体の自分で付き合えること。
これが「心の余裕」につながります。
「一人の時間」とは、孤独などではなく
- 心を癒す時間
- 自分を理解する時間
- 人とより良い関係を築くための準備時間
とても大切な、価値のあるものなのです。
一人の時間を作るコツ
一人の時間を作るコツ、それは「予定を作る」ことから始めてみてください。
その際に「人のための予定」ではなく「自分のための予定」であることが重要です。
例えば「カフェで本を読む時間」「好きな音楽などを聴きながら散歩する時間」「趣味の時間」「日記や勉強する時間」
一人でも楽しめる、誰かと競い合うことが無い趣味を持つと、人の評価や比較が無いことでよりリフレッシュ効果が高くなります。
「あえて何もしない時間」を作ることを自分に許してみることもおすすめです。
一人の時間=生産的である必要はありません。
音楽を聴きながら、頭も心も空っぽにする時間はとても貴重な時間とも言えます。
つまり、一人の時間=「自分を整えるための時間」だと考え、「自分のための予定」を作ることが一人の時間を作るコツになります。
周りに配慮しながら一人の時間を守る方法
一人の時間を持つことが大切だ、ということをここまで紹介してきました。
そうは言っても、せっかくの友達の誘いを断るのも悪い、上司や先輩のお誘いを断るのも何だか気まずい、人間関係を悪くしたくないと考える人も多いかもしれません。
そこで必要となってくるのは「相手に配慮した断り方」です。
「行けません。」「無理です。」ときっぱり断るよりも「また今度、〇〇日なんてどうですか?」や「次の機会にはぜひ参加させてください」といった相手の機嫌を損ねない、柔らかく伝えることが大切です。
SNSやLINEでも「返信は後で時間を作った時にすればいいや」と自分自身に許可を出してみたり、相手に「ちゃんとした返事をしたいから、少し時間をください」といったことを伝えておくと相手からは誠実な印象にうつります。
ほかにも、あらかじめ「自分の時間を宣言」するという方法もあります。
事前に伝えておくことで、急な誘いを断りやすくなるだけでなく、相手も「そんなこと言ってたな」と理解しやすくなります。
周囲に配慮しながら一人の時間を守るコツ、それは相手への伝え方を柔らかくし、誠実に意図を伝えること。
そして、あなたとの関係を大切にしているという姿勢を見せることです。
まとめ
この記事では、「一人の時間の大切さ」と「上手な一人時間の取り入れ方」を紹介しました。
「人付き合いに疲れた」と感じる人の多くは「承認欲求」が高いのかもしれません。
一人の時間とは、人に合わせた行動や時間ではなく、「自分がやりたいことのための時間」「自分自身と向き合うとても大切な時間」です。
そして「人を避けるための時間」ではなく、「より良い関係を保つための準備時間」と考えることで、相手に配慮していることが伝わり、一人の時間を確保しやすくなります。
つまり、一人の時間=孤独ではなく、自分自身を見つめ直し、心を休め、成長するための大切な時間です。
まずは、一日の中で「この時間は自分のための時間」というものをスケジュール帳に書いて入れてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
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